「村正試作1号」製作記
… by K.I.
システム構築編〜T ネットワーク改造 ●2
Aコンデンサー、コイル
ということで、アッテネーターは決定。あとはコンデンサーと、コイルです。
それまで使用していたのは、フォステクスのオーディオ用のもの。これは、オーディオ用以外の普通の抵抗など(パーツ屋にたくさんある小さな安いもの)を試してみて、オーディオ用のものでないと音質的に全く使えない、ということを確認していました。セメント抵抗などをウーファーの補正回路に使うなんて、論外。音が濁るだけでした。
かといって、補正回路にオーディオ・グレードのパーツを使っても、抵抗が増えることに変わりはない。それは、音質上不利に働くのではないか、また、基本回路以外に補正回路までも、全体のバランスを見ながら抵抗値を変えて、組み合わせの良し悪しを判断しなければならなくなる。測定装置も経験もない素人が、ひとりで。やるべき作業は、パーツの組み合わせを考えただけでも想像を絶するものがあります。どうりで、長岡さんも薦めないわけだ。
ネットワークの組み合わせ次第で音のバランスがころころ変わるのは体験したばかりでした。まともに実験していたら、ネットワークの決定だけで半年以上かかりそうです。なにせ、基本回路でさえあくまで主観で判断しているうえに、そこに補正回路を加えることが、素人の初の試作なのに意味があるのか、疑わしい。
そう考えて、カタログどおりの複雑な回路にするのを止めたというのが実際でした。
注:
普通にメーカーのカタログを読むと、3ウェイなら最低でも12dB/oct.にしなければならない、補正回路も加えなければならない、というのが『常識』のようです。でも、現在の村正試作1号の音を聴くかぎり、6dB/octでも、かなりいけてます。
そんな経緯もあり、アートクルーの回答も基本的に6dB/oct.のままの回路でしたから、それはすんなりそのままに。
あとは、コイルとコンデンサーに、どのメーカーのものを使用するか。
実は、初めて結線したときのフォステクスのコンデンサーとコイルの印象は、アッテネーターみたいにわるくありませんでした。雑誌での評価も高いようです。
ここで久々に、Y氏登場。
Y氏はなんと、長岡鉄男さんの、『あの』音を、実際に『あの』部屋で、聴いたことがある人なのでした!
そのY氏、なにやらカタログをとりだして、
「自作をやってる方に、これなんかは評判がいいようですよ〜」(例によって考え深げな表情・・・)
それが、トリテックのコイル、AUDYN‐CAPのコンデンサーでした。
なにしろ、長岡氏の『音』を知ってるプロが、お薦めするんですから、断るはずがありません。まして、音質がいい、ということであれば。少し高いと一瞬思いましたけど、この手のパーツならば、価格と音質は相応だと考えてよさそうです。そう思って、購入はあっさり決定しました。ちなみにトリテックのコンデンサはエポキシで固められている上にネジで取り付け部分に固定可能なので、音質が期待でき、工作も楽です。
構成は、ウーファー用コイル一個、中域担当ドライバ用コンデンサー一個、ツイーター用コンデンサー一個だけ(スピーカー片側で)。これなら、素人にもらくらく配線可能です。
早速、入荷して即結線。あまりの違いに、驚きました。
「一体、今まで、なにを聴いていたんだ〜!」
(このフレーズはこのあと、数えきれないくらいに繰り返されることになるのですが、アッテネーターとあわせて、このときが、記念すべき“第一回”になりました。今はもう、数えてません。)
肝心の音質ですが、フォステクスもなかなか健闘しています。がしかし、AUDYN‐CAPでは、音に、“雰囲気”、“深み”“品格”が、少し感じられるのです。なにしろまだ『ムラマサ』になるずっと前の話です。感じたといっても微妙でしたけど、アッテネーター同様、こんな基本的なところで投資しなかったら、後で後悔することになりそうな気がしました。
ただ、ツイータのコンデンサーだけは、抵抗値の選択が微妙なので、実際に少し違う値のものを聴き比べて、つながりのバランスがいい方に決定しました。(ここで選択を間違えると、決して満足のいく再生はできません)
ちなみに、ネットワークはすべて『外付け』、つまり、スピーカーBOXの中にとりつけずに、外に出していました。置き場所に困ったので、ウーファーBOXの天板の上に置いていました。
これで、基本的な結線に関しては、一応、完成です。やれやれ。
がしかし、このネットワークに関しては、まだ続きがあったのです。
でもそれはまた、別の話。(続)
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