村正試作1号」製作記
… by K.I.

開店編〜T アートクルー ●1

アートクルーとの出会い、
リトルプラネット、そして不思議なツィーター

自作の3ウェイスピーカを、ユニット、部品とも、すべてフォステクスで統一して、なんとか組み上げたまではよかったのですが、プリメインアンプが調子悪くなったので、アンプを試聴しに、開店して間もないアートクルーに行きました。
(このアンプに関するいきさつは、村正試作1号にとって後に関係してくることになるので、ここで書いておきます。)

店に入ると、すでに先客あり。わりと入りやすい感じの店だったので、私としては少しほっとしました。(この“感じ”って、大事だと思いませんか?)
店の スタッフさんに、リトルプラネットを試聴したいと申し出たところ、ちょうど、先客がそのアンプを聴いていたところでした。

実は、店に入ったときからすぐ、ごっついピアノの音がしていたので、やっぱり専門店はいい音してるな、来てよかった。でも高いアンプ使っているんだろうな、と思っていました。鳴っていたスピーカは、インフィニティの大きいやつ。

ところがスタッフさんのたまわく、
「それなら今ちょうどリトルプラネットをお客さんが聴いているところだから、ご一緒にどうですか?」


画像:http://www.mmjp.or.jp/ippinkan/airbow.htmより引用

???

“今聴いている”・・・?

ソファーに案内されて座ってみると、なんと、でっかいインフィニティでごっついピアノの重低音を響かせているのは、目の前にちょこんと置いてあるリトルプラネットじゃーありませんか!!!
一体、なんという音を出すのか。インフィニティって、おとなしい音しかしないんじゃなかったっけ?
しばらくあきれて聴いていました。

すると、先のスタッフさんが、「ちょっと、面白い実験をしてみましょうか?」と言う。

画像:http://www.mmjp.or.jp/ippinkan/airbow.htmより引用

見ていると今度は、小さい2ウェイスピーカに、四角形の物体が乗っています。雑誌を見ていた私はすぐ、それがエアボウのツィータ、CLTだとわかりました。
接続して、私が持参していたCD、バント/ベルリンフィルの、ブルックナー・交響曲第9番をかけてもらいました。

それはまさに、エアボウ・マジック!

CLTをつなぐのとつながないのとでは、オーケストラのサウンド・ステージの奥行き、広がり、迫力、すべて別世界。その2ウェイスピーカに値札が張ってなかったら、また、CLTが鳴っているのを知らされてなかったら、2ウェイスピーカ2本で30万円です、といわれても、この時の私だったら真剣に考えていたかも知れません。
しばらく、持参した違うCDも聴いて、ようやく、それなりに安いスピーカの音だとわかりました。家でよく聴いていたCDでなければ、聴き分けることができたかどうか。

”ただものではない”。そう実感して、リトルプラネットを買う気になった私に、さっきのスタッフさん、
「もうひとつ上のクラスの、“ルナ”というアンプも聴けますよ。」


画像:http://www.mmjp.or.jp/ippinkan/airbow.htmより引用

リトルプラネットと同じ大きさで、値段もそんなに違わない。手が出せないものではない。聴くだけ聴いてみよう、と思いました。
で、後日、日を改めて、聴きました。ルナ。これがまた、実によくできたものでした。もう、ルナにするしかありません。この音なら、いままでよりも確実にいい音が聴けます。帰ろうとした私に、例の スタッフさんが、ひとこと。

「TERAも聴いてみます?来週入りますよ」

TERAというアンプがエアボウの最も重要なプリメインアンプであって、その音もいいらしい、ということは、エアボウの広告で知っていました。完全に予算オーバーなので、聴くだけならいいか。

そう思って、私は軽い気持ちで「はい」と答えました。

後にして思えば、このスタッフさん(いちおう、M氏とだけ書いておきます。・・・え?バレバレ?)※1のこの一言は、村正試作1号の行方を決定づける、悪魔の囁きだったのです。

が、それはまた、別の話。(続)

※1 はい、バレバレです。“悪魔の囁き”の、声の調子まで想像がつきます。
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